生死と向き合う仕事に就く人

生死と向き合う仕事と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか?
映画になったことで脚光を浴びた納棺師はその代表ともいえますが、それだけではありません。
世の中には様々な仕事で生死と向き合っている人たちがいます。
例えば、看護師や医師なども命と隣合わせの仕事です。
特にホスピスなどで働く看護師は、死と向き合っている患者と接する時間が長いでしょう。
また、葬儀社で働く人たちも同様です。
残された人と故人との関係性や旅立ちの手伝いなど、いろいろな経験をすることも多いかもしれません。

そのほかに、近年、孤独死が問題視されていることで知られるようにもなった遺品整理業者もある意味、生死と向き合っている仕事の一つです。
生きているうちにお世話になることはありませんが、遺品の整理というのは勝手にすべて処分していいわけではないため、故人の生前と向き合い、ひとつひとつ丁寧に整理していかなければならないのです。

専門的な分野では、監察医も生死と向き合う仕事でしょう。
もちろん生きている人の病気と向き合うことも医者としての大切な仕事ですが、亡くなってから人と向き合う医者の仕事というのもあります。
監察医の役目は、死亡理由がわからない場合に死体を解剖して死因を特定することです。
医療が発達した時代であっても、死亡理由がはっきりしないまま亡くなる人は増えています。
貧困層だけでなく、富裕層であっても孤独死する人は少なくありません。
実は監察医が解剖する死体で、犯罪が原因とされるものは4分の1ほどと言われています。
残りは事件性はないものの、死亡理由がわからない行政解剖となっているようです。
人は生まれたら必ず死ぬ。そして、その生死と向き合う仕事というのは実に多岐に渡ります。
また、高齢化社会の日本では多くの利用者との別れに立ち会う介護職という仕事も、よりリアルに生死と直面する職業と言えるでしょう。